素形材産業で特定技能外国人を雇用する流れ
それでは具体的にどのようなプロセスで特定技能外国人を雇用していくかを見ていきましょう。
素形材産業における特定技能の手続き
- 対象の外国人が技能試験と日本語試験に合格している又は移行可能な技能実習生である
- 受入企業が一般的な受入機関の要件を満たしている
- 受入れ企業が素形材産業特有の要件を満たしている。
- 特定技能で雇い入れる外国人と特定技能雇用契約を結ぶ。
- 外国人本人が健康診断を受けてもらう。
- 上記5の診断書と合わせて雇用される外国人に在留資格申請に必要な書類を用意してもらう。
- 在留資格申請書類・会社の必要書類・支援計画書を準備する。
- 事前ガイダンスを外国人に対して行う(テレビ電話も可能)
- 対象国の日本大使館で在留認定証明書の申請をし日本に上陸、日本側では在留資格(特定技能)の申請を行う。
- 入国する空港へお迎えに行く(支援義務あり)
- 在留認定証明と在留資格が取れたら雇用開始。
- ハローワークへの届出、各種福利厚生の手続等を行う
- 外国人に対して支援を実施 ※生活オリエンテーション、その他支援(自社か登録支援機関で行う)
- 素形材産業の協議会に加入。※外国人を受け入れた日から4カ月以内に加入(登録支援機関も加入義務なし)
- 法律で定められた「届出」や「定期の面談」の実施と報告
以上が素形材産業で特定技能外国人を受け入れる流れになります。
素形材産業はいくつかの分野に分かれており、それぞれに合った合格者又は技能実習の経験が必要です。
まずは素形材産業ではどのような職種があるか見てみましょう。
素形材産業の業種
①鋳造
指導者の指示を理解し、労働者自身の判断で溶かした金属を型に流し込み製品を製造する作業に従事
②鍛造
指導者の指示を理解し、労働者自身の判断で金属を打撃・加圧することで強度を高めたり、目的の形状にする作業に従事
③ダイカスト
指導者の指示を理解し、労働者自身の判断で溶融金属を金型に圧入して高い精度の鋳物を短時間で大量に生産する作業に従事
④機械加工
指導者の指示を理解し、労働者自身の判断で旋盤、フライス盤、ボール盤等の各種工作機械や 切削工具を用いて金属材料等を加工する作業に従事します。
⑤金属プレス加工
指導者の指示を理解し、労働者自身の判断で金型を用いて金属材料にプレス機械で荷重を加えて、曲げ、成形、絞り等を行い成形する作業に従事します。
⑥工場板金
指導者の指示を理解し、労働者自身の判断で各種工業製品に使われる金属薄板の加工・組立てを行う作業に従事します。
⑦めっき
指導者の指示を理解し、労働者自身の判断で腐食防止等のため金属等の材料表面に薄い金属を被覆する作業に従事します。
⑧アルミニウム陽極酸化処理
指導者の指示を理解し、労働者自身の判断でアルミニウムの表面を酸化させ、酸化アルミニウムの皮膜を生成させる作業に従事します。
⑨仕上げ
指導者の指示を理解し、労働者自身の判断で手工具や工作機械により部品を加工・調整し、精度を高め、部品の仕上げ及び組立てを行う作業に従事します。
⑩機械検査
指導者の指示を理解し、労働者自身の判断で各種測定機器等を用いて機械部品の検査を行う作業に従事します。
⑪ 機械保全
指導者の指示を理解し、労働者自身の判断で工場の設備機械の故障や劣化を予防し、機械の正常な運転を維持し保全する作業に従事します。
⑫塗装
指導者の指示を理解し、労働者自身の判断で塗料を用いて被塗装物を塗膜で覆う作業に従事します。
⑬溶接
指導者の指示を理解し、労働者自身の判断で熱又は圧力若しくはその両者を加え部材を接合する作業に従事します。
また、上記に当てはまる業務に従事する日本人が普段従事する関連業務に、外国人労働者が付随的に従事することが可能です。
例えば、関連業務として、以下のものが予想されます。
・原材料や部品の調達・搬送作業
・各職種の前後における工程作業
・クレーンやフォークリフトなどの運転作業
・清掃や保守管理作業
素形材産業の業務の1つである鋳造で例を挙げると、加工品の切削、ばり取り、検査業務、型の保守管理等に従事することができます。
次に素形材産業に特有な要件から見ていきましょう。
素形材産業に特有な要件
- 1号特定技能外国人が業務を行う事業所が、日本標準産業分類に掲げる産業のうち、次のいずれかに該当する事業所であること。
- ①細分類2194-鋳型製造業(中子を含む)
- ②小分類225-鉄素形材製造業
- ③小分類235-非鉄金属素形材製造業
- ④細分類2424-作業工具製造業
- ⑤細分類2431-配管工事用付属品製造業(バルブ、コックを除く)
- ⑥小分類245-金属素形材製品製造業
- ⑦細分類2465-金属熱処理業
- ⑧細分類2534-工業窯炉製造業
- ⑨細分類2592-弁・同付属品製造業
- ⑩細分類2651-鋳造装置製造業
- ⑪細分類2691-金属用金型・同部分品・付属品製造業
- ⑫細分類2692-非金属用金型・同部分品・付属品製造業
- ⑬細分類2929-その他の産業用電気機械器具製造業(車両用・船舶用を含む)
- ⑭細分類3295-工業用模型製造業
1号特定技能外国人が業務に従事する事業場において,直近1年間で製造品出荷額等が発生していることを指します。 製造品出荷額等とは,直近1年間における製造品出荷額,加工賃収入額, くず廃物の出荷額及びその他収入額の合計であり,消費税及び酒税,たばこ 税,揮発油税及び地方揮発税を含んだ額のことを指します。
出典:特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領ー素形材産業分野の基準についてー
- 特定技能試験の技能試験において上記【素形材産業の業種】のものに合格している又は関連した技能実習を2号まで良好に終了している
- 「素形材産業」分野の協議会に加入すること。
→協会加入は下記リンク
移行対象の技能実習
次に特定技能へ移行が可能な技能実習の種類です。
技能実習 | 特定技能 |
---|---|
鋳鉄鋳物鋳造 非鉄金属鋳物鋳造 | 鋳造 |
ハンマ型鍛造 プレス型鍛造 | 鍛造 |
ホットチャンバダイカスト コールドチャンバダイカスト | ダイカスト |
普通旋盤 フライス盤 数値制御旋盤 マシニングセンタ | 機械加工 |
金属プレス | 金属プレス加工 |
機械板金 | 工場板金 |
電気めっき 溶融亜鉛めっき | めっき |
陽極酸化処理 | アルミニウム陽極酸化処理 |
治工具仕上げ 金型仕上げ 機械組立仕上げ | 仕上げ |
機械検査 | 機械検査 |
機械系保全 | 機械保全 |
建築塗装 金属塗装 鋼橋塗装 噴霧塗装 | 塗装 |
手溶接 半自動溶接 | 溶接 |
次に業務範囲です。
業務の範囲
主として従事させる業務
- 鋳造
- 鍛造
- ダイカスト
- 機械加工
- 金属プレス加工
- 工場板金
- めっき
- アルミニウム陽極酸化処理
- 仕上げ
- 機械検査
- 機械保全
- 塗装
- 溶接
「のいずれかの業務」のうち、技能実習の内容又は技能試験に合格した業務
関連業務として従事させる業務
- 原材料・部品の調達、搬送作業
- 各職種の前後工程作業
- クレーン・フォークリフト等運転作業
- 清掃・保守管理作業
素形材産業は分野が細かく分かれているため、技能実習の内容や技能試験の内容と照らし合わせて就労させなければなりません。。
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